座禅会 三冬枯木花

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今年も早いもので12月に入り、季節も晩秋から冬へと移りました。

境内のドウダンツツジも、紅葉から落葉へと姿を変えております。

さて、本日は、第2土曜日で、恒例の座禅会を開催いたしました。

このたびは、初参加の方を含め、10名の方がご参加くださいました。

年末のお忙しい中、ご参加いただきまして、ありがとうございました。

今回も、ソーシャルディスタンスを確保し、マスクを着用していただきました。

お経のほうも、参加者の皆様には黙読していただき、私はマイクで唱えさせていただきました。

そして、25分の座禅を2セットした後、マイクで、お話をさせていただきました。

本日のお話は、「三冬枯木花」という、冬の時期に合う禅語について。

三冬とは、冬の時期の三カ月のことです。

では、「寒さの厳しい冬の真っ只中、枯れ切った木に花が咲いた」とは、どういう意味でしょうか。

鎌倉幕府執権、北条時宗は、禅宗に帰依し、鎌倉建長寺の開山、蘭渓道隆禅師から禅を学びました。

蘭渓道隆禅師の死後、同じく中国の南宋から、無学祖元禅師を招き、禅の教えを学びました。

時宗は、幼少の頃、小心で臆病な性格でありましたが、禅によって自己の精神を鍛練していったのです。

そんな時宗は、執権になってから、2度の蒙古襲来(元寇)という国難にあいます。

1度目の襲来は、なんとか撃退しましたが、2度目の襲来は、周到な計画のもと大群でやってきました。

さすがの時宗も心が動揺し、無学祖元禅師に、一大事到来時の心構えを問いました。

その時に時宗に与えた言葉が、「莫煩悩」(まくぼんのう、わずらい悩むことなかれ)でした。

時宗はこの言葉で不動心を確立して、2度目の蒙古襲来を切り抜けたのです。

時宗を教え導く力量を持った無学祖元禅師ですが、若い頃は、修行に行き詰まった時期がありました。

そこで、「悟りを開くまで決してこの場から立つまい」という強い意志で不眠不休で食事もとらず坐禅しました。

数日たち手足も冷たくなり、同僚の僧が心配し、病僧を休ませる部屋へと運ばれましたが、坐禅を続けました。

このように、死に切って、禅の修行に打ち込んでいる状態を「三冬枯木」ともいいます。

その後、翌朝の起床の合図の板木がバーンと響いた時、ガラリと悟りが開けたのです。

これを「枯木再生花(枯木、再び花を生ず。)」といい、前の語と合わせ、「三冬枯木花」といいます。

人生、逆境の時は必ずありますが、くじけずに努力を積み重ねれば、必ず花開く時が来ます。

先が見えない時代ですが、今できる努力を続けて頑張っていきましょう。

このような話をいたしました。

話が終わりますと、参加者の皆さんには、お茶とお菓子をお持ち帰りいただきました。

来月は、冬本番の季節になります。ストーブを準備いたします。

防寒のため、ひざ掛けをしていただいても結構です。

コロナの第6波が来ないで現地開催できますことを祈りながら、お待ちしております。

開催日が近づきましたら、現地開催かオンライン座禅会か、ホームページに掲載いたします。

また、来年も、どうぞよろしくお願いいたします。

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