座禅会 雲ひとつない心で

4月に入りまして、気温も上がり、春本番を迎えました。
境内の山側に咲く、遅咲きの桜も満開になってまいりました。
先月は早咲きの桜、今月は遅咲きの桜が春の到来を告げてくれています。
さて、本日は、第2土曜日で、恒例の座禅会を開催いたしました。
今回は、初参加の方、6名を含め、22名の方がご参加くださいました。
たくさんの方、ご参加いただきまして、ありがとうございました!

25分の座禅を2セットした後、お話をさせていただきました。
本日のお話は、般若心経の「心無罣礙」の話。
般若心経の中盤に「心無罣礙」という言葉が出てまいります。
心に罣礙がない。罣礙とは、妨げのことです。心にさまたげがない。
仏さんは、心に妨げとなるものがないので、恐れや不安がない。
全ての間違った考え方や妄想から離れていて、心の安らぎに達している。
このように般若心経が続いていきます。
罣礙とは、好きと嫌い、損と得、自分と他人、といった仏さんの心を邪魔する考え方です。
仏さんの心は本来生まれ持っていて、幼児の時は自分も他人もない仏さんの心で生きています。
自然に人に優しくできて、嫌なこともすぐに忘れて今を生きる心。
大人になると、そんな仏さんの心が何かと邪魔されて、なかなか安らかに過ごせないですね。
至道無難禅師の言葉にこうあります。
「慈悲するうちは慈悲に心あり。慈悲熟するとき慈悲を知らず。
慈悲して慈悲知らぬとき仏というなり。」
慈悲するという思いがあるうちは、慈悲の中に邪魔な心がある。
慈悲心が熟してくると慈悲することを意識しなくなってくる。
そのように無意識に慈悲をしている時が仏さんである。
このように言われています。
自分をよく見られたいとか、見返りを期待したりする心がない慈悲が、仏さんの慈悲。
自分の心が相手に入ったかのように、自然に無意識に行う慈悲。
そして、慈悲したことも忘れ、心の中は空っぽでとても大きく、晴れ渡ったような心。
そういう心でいることが仏さんなんですね。
行動する時に、心に邪魔になるものがあるなと気づいたら、自分の妄想だと思いましょう。
仏さんの心を活かせるように心を大きくして、自然に慈悲もしていきたいですね。
このような話をいたしました。
お話の後、参加者の皆さんには、お茶とお菓子をお持ち帰りいただきました。
来月の座禅会には、どんな花が咲いているでしょうか。
是非また座禅会にご参加ください!
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