座禅会 良寛さんの手紙

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7月6日から7日にかけて、西日本における豪雨で多くの方が被災されました。

被災されました皆様に、心よりお見舞いを申し上げますと共に、一日も早い復旧を願っております。

豪雨の後は、梅雨が例年よりも早く明け、猛暑の日々となりました。

本日、第2土曜日は、毎月恒例の坐禅会が開かれました。

今月は、初参加の方6名を含め、24名の方がご参加くださいました。

暑い中、たくさんのご参加をいただき、ありがとうございます。

そして、いつものように25分の座禅を2セットして、茶話会です。

本日の話は、西日本豪雨災害を受けて、良寛さんの話。

良寛さんは、今の新潟県の生まれで、十数年の修行を終えて、帰郷しました。

良寛さんの親戚(はとこ)にあたる、山田杜皐(やまだとこう)も新潟県に住んでおりました。

そこで、1828年に大地震(新潟県三条市付近)が起きました。

1万軒以上が全壊、死没者は約1500名という大規模な災害でした。

良寛さんは、山田杜皐に手紙を送ります。

「地震は信に大変に候。

野僧草庵は何事もなく、親るい中、死人もなく、めで度存候。

うちつけにしなばしなずてながらへてかゝるうきめを見るがはびしさ。

しかし災難に逢、時節には災難に逢がよく候。

死ぬ時節には死ぬがよく候。

是はこれ災難をのがるゝ妙法にて候。かしこ」

このたびの地震は、まことに大変なものでした。

私の庵には何事もなく、親類に死人もなく幸いでした。

私は長生きしたばかりに、このような悲しい災害を見るのはつらいことです。

しかし、災難にあう時には災難にあうのだ、死ぬ時には死ぬのだ。

そう腹をすえることが、災難から逃れる最高の教えなのです。

「災害にあうことのつらさ」を見せた人情の部分。

しかし、「災難もしっかりと受け止めて生きる」という仏教者としての生き方。

その両方が表現されている手紙です。

災難にあった時は、悩みすぎると、より一層苦しみが増してしまう。

災難を受け止めて、今やるべきことをしっかりやっていくこと。

それが、災難を乗り越えていく一番の道なのだ。

そう良寛さんは、言いたかったのではないでしょうか。

私達も普段から心を調え、今自分にできることをしっかりとつとめていきましょう。

このような話をいたしました。

さて、来月は、お盆で坐禅会はお休みです。

次回の坐禅会は9月です。次回もよろしくお願いいたします。

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