座禅会 剣禅一如

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20140712zazenkai

あじさい祭りも終わって、第2土曜日の12日には、坐禅会が開かれました。

今回は合気道の方々も来られて、32名様がご参加くださいました。

お暑い中、誠に有り難うございました!

25分の座禅を2セットして、茶話会。

本日は沢庵和尚と柳生宗矩の話。

柳生宗矩は江戸時代の徳川将軍に仕えた剣術指南役。

沢庵和尚を心の師として禅の修行に打ち込まれて、剣術にさらに磨きをかけた人物です。

そんな2人にこんな話があります。

ある時、徳川家に朝鮮から珍しい大きな虎が献上されました。

庭のオリを用意して、城中の者が集まりました。そして、柳生宗矩と沢庵和尚も呼ばれました。

将軍家光公 「宗矩公をオリに入れてみようか。」

宗矩 「承知つかまつりました。」

オリへ入ると刀をかまえて虎をにらむ宗矩、うなり声をあげてにらみ返す虎。

しばらく、にらみ合いが続いたが、虎が視線をそらし攻撃姿勢をくずして勝負あり。

宗矩はすばやくオリから出てきました。

家光公に「和尚もやってみないか?」と言われた沢庵和尚。

オリへ入ると虎の前に進んで、虎の大きな顔をなで始めました。

虎は攻撃するどころか、尻尾をふって沢庵和尚の体に頭をすりつけたのです。

見ている者たちはあっけにとられてしまいました。

この2人の境涯の違いを示すもう1つのエピソード。

宗矩が沢庵和尚の部屋に訪れ、極意について話をしようとすると、沢庵和尚はこう聞きました。

「極意はその時その処に応じて発揮されねば意味がない。今雨が降っておるが、体が濡れぬ極意は?」

すると、宗矩は雨の降る庭に出て、剣で雨をきりまくって部屋に戻ってきた。確かにあまり濡れていない。

沢庵和尚は、「極意はその程度か?」と言って、自ら庭に出ると、しばらく雨の中でたたずんだ。

全身ずぶ濡れで部屋にもどった沢庵和尚、「貴公は濡れておるから極意にならん。わしは濡れてない。」と。

宗矩は虎や雨、相手と対立していく姿勢、沢庵和尚は相手に応じて一つとなっていく姿勢です。

この沢庵和尚は柳生宗矩にあてて剣術の極意をしるした「不動智神妙録」を著しました。

その中で、理の修行と事の修行を説いています。

理の修行とは、何にもとらわれない、無心になる修行。

事の修行とは、技術の修行。この無心と技術の両方あってこその剣術である。

剣禅一如、剣の技術と禅の無心が一つの如くなってこそ剣術の極意だと沢庵和尚はいわれています。

合気道の皆さんもいろいろな型を稽古されると思います。その様々な型の稽古も大事なことだと思います。

それと共に、相手の構えや余計な考えにとらわれず、その時その処に応じて対応していける、無心の心も大事にしていただけたらと思っています。

このような話をいたしました。

来月は、お盆で忙しいため、次回の座禅会は9月になります。

暑い夏を乗り切って、また座禅会にお越し下さい!

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