座禅会 影のない樹の下の合同船

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厳しい残暑が続いておりますが、秋の花、芙蓉が開花しました。

季節は確実に秋に向かっているのだなと感じます。

さて、本日は、第2土曜日で、恒例の座禅会を開催いたしました。

今回は、初参加の方、7名を含め、18名の方がご参加くださいました。

たくさんの方、ご参加いただきまして、ありがとうございました!

25分の座禅を2セットした後、お話をさせていただきました。

本日のお話は、慧忠国師にまつわるお話。

中国、唐の時代に慧忠国師という方がいました。

唐の第10代皇帝粛宗、第11代皇帝代宗、二代にわたり、皇帝を導き、国師と呼ばれました。

そんな慧忠国師が高齢になった時、代宗が聞きます。「あなたの死後、お望みはありますか。」

慧忠国師「私のために無縫塔を作って下さい。」

代宗「それはどのような形のものですか。」慧忠国師はしばらく黙ってから言いました。

慧忠国師「お分かりかな。」代宗「わかりません。」

慧忠国師「私の後継者で耽源という者がよく分かっているので、後日呼んでお聞き下さい。」

慧忠国師の没後、代宗は耽源を呼んで説明を求めた。

耽源が四句の詩で答えた第三句目が、「無影樹下合同船」です。

耽源は、慧忠国師の「縫い目のない塔」を「影のない樹木の下の合同船」と表現しました。

樹木に光が当たれば影ができますが、影がないとはどういうことでしょう。

光と影というふうに対立的に分けて考えないということではないでしょうか。

自分と他人、善悪、好き嫌いなど、分けない心を表現されたように思います。

無縫塔とは、自分と他人とか、物事を対立的に分けるような縫い目がない塔。

無影樹下合同船とは、老若男女、人間動物植物全てが、違いがあっても対立しない乗合船。

代宗に伝えようとしたのは、仏の心、仏の心で見た調和の世界ではないでしょうか。

今の世の中、戦争が各地で起きたり、選挙戦もあったり、物事を対立的に考えてしまいがちですが、自他とか善悪とか分けず、乗合船に乗り合わせた仲間として共に、分断されない調和のある良い世界の方向に進めるように、心がけていきたいですね。

このような話をいたしました。

お話の後、参加者の皆さんには、お茶とお菓子をお持ち帰りいただきました。

来月は、暑さが和らぎ、過ごしやすい気温になっているでしょう。

秋めいてきて、芙蓉の花も今月よりも咲いていると思います。

来月の座禅会も是非ご参加ください!

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