座禅会 出発点を忘れずに

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4月も中旬となりました。

今年は、春から花の開花が例年よりも早くなっております。

境内は遅咲きの桜やドウダンツツジの花が咲いております。

さて、本日は、毎月恒例の第2土曜日の坐禅会。

初参加の方8名(2名は外国人の方)を含め、31名の方がご参加くださいました。

小雨で肌寒い中、たくさんのご参加、ありがとうございます!

そして、いつものように25分の座禅を2セットして、茶話会です。

本日の話は、4月から新年度ということで、初心を貫くことに因んだ話。

臨済宗妙心寺派管長も務めた山田無文老師が、ダイエー創業者中内功氏に語ります。

“よい品を安く売ってお客さんに奉仕する”という哲学を持った中内氏。

あのダイエーを急成長させた中内氏に山田無文老師はこう言われました。

「あなたは大成功者の一人でしょう。しかし、成功という結果よりは出発点が良かったのじゃないでしょうか。“良い物を安く”ということは、つまり大衆のためという菩提心になり、この出発点が良かったから成功されたと思うのです。」

「従って、スタートの気持ちを持続することが大切なことであって、それが最後まで貫ければ、私は、いつ死んでもよいと思いますね、人生は。」

出発点とその気持ちを持続させることの大切を語られています。

その上で、今後のことは考えてわかる問題ではないとして、人と時世にまかせ、自分自身は“どういう問題が起こっても動揺しない腹を作っておく”、“自己という人間を創っていく”ことが大事ですと語られました。

出発点の時の気持ち、そしてその気持ちの持続が、成功につながる。

そして、その時その時を対応できるように、日々心をととのえる。

山田無文老師の言葉から、禅の生き方を学ばせていただきました。

私達も出発点の気持ちを忘れずに、日々心をととのえて生活したいですね。

このような話をいたしました。

来月の座禅会は、初夏を迎えて、座禅もしやすい季節です。

境内の花々も例年より早い開花ですので、早咲きのヤマアジサイの開花も見られるかもしれません。

来月も座禅会に是非お越しください!

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4 Responses to “座禅会 出発点を忘れずに”

  1. ヒグチ より:

    私自身、純粋だった初心がだんだんと慣れていって忘れてしまい、楽で刺激の強い良くない方向に流されがちでした。
    気付かせて頂きありがとうございました。

    • 副住職 より:

      大人になって年を経ていくと、純粋だった初心を忘れていって、だんだん日々を慣れで生活してしまいがちですよね。
      私も、修行道場に入りたての頃、右も左も分からず、先輩に叱られながら、ただ今やるべきことを考えすぎずに体を動かしていく生活が懐かしくもあり、その時の気持ちを忘れてはいけないなとよく思います。
      何も知らなかった頃のように、色々経験を積んできた現在でも、日々何か新しく学ぶことがあるという気持ちを忘れず、頑張っていきたいと思っています。
      今後ともよろしくお願い致します。

  2. はひ より:

     山田無文老師の本を読んだことがあります。「仏さまになるために人は生きる」と、書いてあったことが印象深かったです。今、その本を読み返しております。ありがとうございました。

    • 副住職 より:

      山田無文老師は、一般的には難しい禅を分かりやすくお話しすることのできる本当にすごい方だと思います。
      「人間は何のために生きているのですか」と質問され、無文老師が「仏さまになるために生きているんだよ。」と答えられたというお話だったと思います。
      私も、色々な老師方や仏教学者の書かれた禅の本を読ませていただきますが、また無文老師の本を読み返して、すごい老師だと改めて思います。
      また、よろしくお願いいたします。

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