座禅会 うたってもおどってもご説法

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6月に入りまして、あじさいが次々と開花しております。例年よりも早い開花となっております。

そんなあじさいに囲まれた観音寺で、毎月恒例の坐禅会がひらかれました。

初参加の方、十数名を含め、28名の方がご参加くださいました。ありがとうございます!

おつとめを10分位した後、25分の坐禅を2回おこない、茶話会となりました。

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今日の茶話会の話は、白隠禅師坐禅和讃の「無念の念を念として、うたうも舞うも法の声」の部分。

あれやこれやと他の事を考えずに、今のことに心を向けていこう。

無心でうたう姿も無心で踊る姿もお釈迦様のご説法なのだ、このように白隠禅師は教えてくださいます。

幕末から明治にかけて活躍した人物に山岡鉄舟(1836~1888)がいます。

剣術の達人として知られている山岡鉄舟は、13才の頃から禅の修行を始めました。

武士が主につかえるには、不動の心が必要だと考え、そのような心になる方法を父にたずねました。

父はこう答えました。、「わが先祖は、剣術だけでなく、禅の修行を窮めて、家康公につかえて数々の功績を残した。おまえもそのような心を練るには、禅の修行によるほかない。」

山岡鉄舟は、名だたる禅僧のもとをたずねて、十年以上にもわたる修行の末、滴水和尚から悟りの証明を与えられました。

そんな剣術と禅の修行も窮めた山岡鉄舟のもとに知人が訪ねてきました。

山岡鉄舟に『臨済録』(臨済宗の祖、臨済禅師の教えが書かれた書物)の講義をしてほしいと言うのです。

「それなら、鎌倉の洪川和尚のを聞かれるがよろしかろう。」

「洪川和尚のはお聞きしました。私はただ、先生の講義をぜひ一度うかがいたいのです。」

「それならばやりましょう。」

山岡鉄舟は彼を剣道場に連れて行き、弟子との剣術の一番を見せて、また部屋に戻って彼に言いました。

「わしの講義はどうですか。」

彼はあっけにとられて無言でした。そんな彼に山岡鉄舟は続けてこう言いました。

「わしは剣術家であるから、剣道をもって臨済録の講義をしたのだ。それがわしの本分だ。わしは坊主のような講義は決してしない。人真似は死物だ。禅が死物ではいかん。おまえさんも長年、禅をやっているそうだが、臨済録が書物とのみ思っているようでは困りますな。ハッハッハ」

臨済録の言葉には、自分の外のものにとらわれるな、自分の内を見よ、外に何も求めるものはない人が仏さんだ、そんな言葉が並びます。

他のことによそ見せず、今ここにいる自分をしっかり生きていく、そういう臨済禅師の教え。

その教えを山岡鉄舟は、剣術の試合を無心でする姿によって、彼に講義をしていたのではないでしょうか。

私も修行道場で、老師や先輩、時には後輩からも、座禅・掃除・托鉢などを無心に修行する姿から、今ここにいる自分をしっかりと生きていくことを教えていただきました。

私達が生きているのは、今ここにいる自分。

しっかり生きていきたいですね。

あじさい祭りが近づいてきまして、境内の掃除も大変ですが、私もしっかりやっていきたいと思います。

こんな話をいたしました。

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いよいよ、あじさい祭りが近づいてまいりました。

開催期間は、21日(日)の父の日から7月7日(火)まで。8時半~17時まで開門しております。

初日の21日は、涅槃図を特別公開。

10時から法要、涅槃図のお話、甘茶の接待、花の種の無料配布がございます。

350品種、5000株のあじさいをご観賞いただけます。

ぜひ、お越しくださいませ。お待ちしております!

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