座禅会 心を軽くして

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10月も下旬に入りまして、朝晩冷え込んでまいりました。

ようやく秋めいて、境内のドウダンツツジも赤く色づいてきました。

さて、本日は座禅会がございました。

今月は、山陽花の寺霊場会の花法要が第2土曜日だったため、第3土曜日の開催となりました。

ご参加いただきました皆様、ありがとうございました!

いつものように、25分の坐禅を2セットしまして、茶話会です。

本日の話は、 般若心経の一節から。

般若心経の中に「遠離一切顚倒夢想究竟涅槃 ( 一切の顚倒夢想を遠く離れ、涅槃を究槃す )」とあります。

逆立ちした間違った考え、夢のようなつまらない思い事を離れて、心安らかな境地へ入っていくと。

顚倒 という「 逆立ちした間違った考え 」に、 四顚倒( 常・楽・我・浄 )と呼ばれるものがあります。

常…この世は無常であるのに、永遠と見る

楽…この世は苦しみで思い通りにいかないのに、願わしい楽しいものと錯覚する

我…この世は無常で「わがもの」といえるものはないのに、わがものと執着する

浄…人間の身体も世界も不浄で満ちているのに、愛すべき清浄なものと思う

心にさまたげるものがない無心で大きな心となれば、間違った考えを離れて、安らかに日々を過ごすことができます。

これまで溜め込んできた「心のさまたげとなるもの」をきれいにしていって、心を軽くして日々を過ごしていきましょう。

このような話をいたしました。

来月は、いつも通り、第2土曜の開催です。

ドウダンツツジの紅葉もキレイになっていると思います。

また、座禅会へ是非ご参加ください!

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4 Responses to “座禅会 心を軽くして”

  1. はひ より:

     常・楽・我・浄の常は、これまでそう見がちでした。
    しかし、昔の書物(徒然草や方丈記)にもありますように、無常なんですよね。安らかに日々を送りたいです。毎日、写経や座禅、経を唱えておりますが、なかなか・・・。

    • 住職 より:

      コメントありがとうございます。
      無常ということを受け入れていくことは、それが大事なものほど難しいものですね。
      日々、呼吸をととのえて心をととのえていく。
      今の自分にできること、やるべきことを継続して精進していく。
      日々の積み重ねが大きな心につながっていくと信じ、私も頑張っていこうと思います。

  2. 中村 靖雄 より:

    11月の座禅会に参加させていただきました。
    いつもありがとうございます。
    間が数年空きましたが清々しく大変よかったです。
    ブログも拝見しております。
    ところで、常・楽・我・浄は常に楽しく清らかな境地になれるという意味ではなかったかと存じ上げます。
    延命十句観音経でそうだったので確かそのように思いますがいかがでしょうか?

    • 住職 より:

      座禅会にご参加いただき有り難うございます。
      延命十句観音経の常・楽・我・浄について、素晴らしいご指摘をいただき有り難うございます。
      常・楽・我・浄は、大きく二種類の意味があり、四顚倒と四徳があります。
      前者の四顚倒は、仏教の教えに反する「常・楽・我・浄」の見方で、これに対して四念処という観想法(諸行無常、一切皆苦、諸法無我、不浄を観ずる修行)により悟りに至る道があります。
      後者の四徳ですが、後の時代の仏教で説かれるようになった、安らぎの境地(涅槃)の四つの徳のことで、涅槃は永遠であり(常)、安楽に満ち(楽)、絶対であり(
      我)、清浄である(浄)という涅槃の四徳があります。
      延命十句観音経の常・楽・我・浄は、おっしゃる通り、後者の涅槃の四徳で、観音様を一心に念じて、苦・楽という相対を超えた真の安楽、不浄・浄を超えた真の清浄の境地に導き心を安らかにしてくれる大変功徳のあるお経といえると思います。

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