座禅会 十牛図の話
今年は、例年より少し早い梅雨入りとなりました。
境内のあじさいも、次々開花しております。
さて、本日は、毎月恒例の第2土曜日の坐禅会が開かれました。
今月は、初参加の方2名を含め、22名の方がご参加くださいました。
たくさんのご参加、ありがとうございます!
そして、いつものように25分の座禅を2セットして、茶話会です。
本日の話は、先月に続いて、牛の話。
先月お話しした「牛を牧(か)っています」という石鞏和尚の言葉。
牛とは、本来の自分、仏の心、無心の心です。
台所係の仕事をしている時も、心がよそに行かないように、今をしっかり生きる。
そういう禅の修行の段階が、「牛を牧う」「牧牛」という段階です。
禅の修行の段階を図で表現した「十牛図」というものがあります。
まず、迷いの自分が、迷いを脱したいと仏心を探しに行く「尋牛」から始まります。
そして、牛の足跡を見つけ、牛の姿を見つけ、その牛をつかまえる。
そのあとが、牛をかいならす「牧牛」で、その牛に乗って家に帰ってくる。
この段階で、牛が自分にしっかりとなれた、安らかな生活、悟りの生活です。
しかし、その悟りすらも、忘れていく、意識しないところが本当の無心の段階。
そして、最後の十番目の図には、布袋(ほてい)和尚が描かれています。
布袋さんが街中へ入っていくと、自然と民衆が安らかな気持ちになり救われていく。
私も布袋和尚のような和尚になっていきたいです。
まだまだ道のりは遠いですが。
まずは、妄想を追わず、今ここの心から離れないよう、無心を継続していきましょう。
このような話をいたしました。
さて、明日の10日(日)から7月7日(土)まで、あじさい祭りを開催します。
400品種以上のアジサイが境内に咲きます。
あじさい祭り期間中には、イベントが2日間あります。
10日(日)は、虚無僧姿で尺八の先生方の献奏。(11時)
17日(日)は、食と音楽と雑貨マルシェを開催。(10時~15時)
是非、いらっしゃって下さい!
そして、来月の坐禅会も是非お越しください!
先日書店に行ったところ、十牛図だけで本一冊かけて説明しているものが何冊もあり禅の世界では著名なものなのだなと驚きました。
十牛図は世界にただ一つの作品かと想像していましたが、古今東西に様々な作者、作品があるようですね。
坐禅はもちろん、日々の生活の行動における基礎になると感じました。
コメントありがとうございます。
十牛図は、禅の入門書の一つとされ、図があるという点でもユニークで、古来から親しまれています。
十牛図は、廓庵師遠禅師のものが最も有名ですが、それ以前に手本となるような十牛図があったようですね。
廓庵師遠禅師のものは、「禅の修行」がより的確で分かりやすくなっています。
十の図には、それぞれ詩や序文が添えてあり、解説本で意味を知れば、図の理解に役立ちます。
日常でいえば、何か目標を立てて、そのための勉強をして、実際に体験していって、目標にたどり着いた後は、その達成したことにとらわれずに、それを忘れていくようにも思えますね。
また、坐禅会でよろしくお願いいたします。