座禅会 因果が一つとなる

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3月に入りまして、境内の梅がようやく満開となりました。

日中が暖かくなり、梅の他にも、椿も次々開花しております。

越の春(ツバキ)

さて、本日は、毎月恒例の第2土曜日の坐禅会が開かれました。

初参加の方4名(1名は外国人の方)を含め、25名の方がご参加くださいました。

たくさんのご参加、ありがとうございます!

そして、いつものように25分の座禅を2セットして、茶話会です。

本日の話は、白隠禅師坐禅和讃の一節「因果一如の門ひらけ」の話。

白隠禅師は、原因と結果が一つとなる禅の門が開けてくると言われます。

普通に考えれば、いくつかの原因があって、その後で結果が出ます。

仏教も、因果を説いた教えがお経に書かれています。

善い行いをすれば、後に必ず善い結果が生まれる「善因善果」

悪い行いをすれば、後に必ず悪い結果が生まれる「悪因悪果」

時間的な因果の法則は、御釈迦様も説かれた真理。

そこを禅は、原因である今の行為の中にもう結果を見ています。

豊臣秀吉は、太閤と呼ばれるまでに大出世した人です。

出世するための心がけを聞かれると、出世しようと思ったことはないと答えます。

足軽の時には一心に足軽をつとめた。士分の時にも一心に士分をつとめた。

大名の時にも一心に大名をつとめた。すると、いつのまにやら太閤になっていたと。

足軽を一心につとめていく今に、もう士分となる結果があるということです。

過去の原因・未来の結果と分けて考えてしまうと、過去を振り返り原因となった行いを悔んだり、未来の結果を考えすぎてしまうのではないでしょうか。

日々、今やるべきことを一心にやっていくこと、それ自体が素晴らしい心境で、因果一如の禅の生活だと思います。

「今をしっかりつとめていく」その先に、現れていなかった結果も自然に現れてくるのではないでしょうか。

今やるべきことを一心にやっていくことを大事にしていきましょう。

このような話をいたしました。

これから、椿の開花に続いて、桜が次々開花していきます。

その中で、早咲きの河津桜が、一足早く開花しました。

来月は、遅咲きの桜が咲いている頃だと思います。

また、来月も是非お越し下さい!

河津桜

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2 Responses to “座禅会 因果が一つとなる”

  1. ヒグチ より:

    今月もお世話になりました。
    昨年の三月に茶話会で話されていた、
    「座禅中にポツポツと妄想が出てくるはの止められないので仕方ない。しかし妄想を追わなければ良い」
    とコツのようなことを教えて頂いてから、少し楽に集中出来るようになりました。
    とは言え、それでもまだまだ妄想を追う事は多々ありますか…(笑)

    結果はその瞬間ごとにすでに出ているという考え方は、自分には盲点であり非常に驚きました。
    妄想は浮かんでも妄想を追わなかった瞬間は即「この瞬間を大切にした」という結果が出ている、と自分なりに解釈し、
    これからも日々座禅を続けようと思います。

    • 副住職 より:

      今月も座禅会にご参加くださり、有り難うございました。
      以前の茶話会で私が言った言葉を覚えてくださっているのですね。
      「今この瞬間の自分」を離れないように、妄想を追わないようにと頑張られて素晴らしいと思います。
      座禅で今の呼吸に集中して心をととのえる方法は、「その瞬間瞬間をしっかり集中して生きる」ことに役立ちます。
      一日少しの座禅でも継続することで、一日一日をよりととのった心で生活できます。
      今後とも、日々の坐禅を継続していただいて、その節目として座禅会にも是非お越しください。

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